BEAM Technologiesは、光半導体デバイスを開発する理研発のスタートアップです。 特殊な光を用いて生態系にまつわる諸問題に対しクリーンな解決手段を提供します。
理化学研究所はFar-UVCと呼ばれる特殊な光(波長: 200 - 230 nm)を放射するLEDにおいて、世界に先駆けて1 mWの出力を達成しました。 この特殊な光は優れた殺菌効果とマクロな生体に対する高い安全性を特長とします。 Far-UVC LEDは有人空間における殺菌、空気質の維持・改善、農作物や養殖魚の病気の予防、アレルゲンの不活化など、新しいクリーンな解決策を提供できる大きな可能性を秘めています。
JICA・IDB Lab共催「TSUBASA2025(Businessコース)」に採択されました。 ~世界最大のエビ養殖産地のエクアドルでFar-UVCとIoTを活用したエビ養殖DX事業を展開、中南米・カリブ市場へ本格進出~
株式会社BEAM Technologies(東京都、代表取締役:飯村一樹・糸数雄吏)は、この度、独立行政法人国際協力機構(JICA)と米州開発銀行グループのイノベーション・ラボであるIDB Labが中南米・カリブ地域のSDGs達成および開発課題解決を目指して共催するオープンイノベーションプログラム「TSUBASA2025(Businessコース)」に、エクアドル共和国におけるFar-UVC技術とIoT技術を活用したエビ養殖のデジタルトランスフォーメーション(DX)事業が採択されたことをお知らせいたします。 ○エクアドルにおけるエビ養殖の現状と課題 中南米・カリブ地域は、名目GDPでASEANの1.5倍と経済規模が大きく、特にエビ養殖は同地域の主要産業の一つであり、経済的に極めて重要な位置を占めています。エクアドルは世界最大のエビ輸出国に成長し、その生産量は国家経済を支える基幹産業となっています。しかし、水産養殖業界全体が抱える課題として、疾病による生産性低下、環境負荷、そして伝統的な養殖方法に起因する非効率性が挙げられます。特にエビ養殖においては、水質の管理や疾病の早期発見が生産性向上と持続可能性の鍵となります。 ○本DX事業の概要 本事業は、当社の持つFar-UVC(深紫外)技術とIoT技術を組み合わせることで、エクアドルにおけるエビ養殖の生産性向上、疾病リスクの低減、および環境負荷の軽減を目指します。 具体的には、以下の取り組みを推進してまいります。 1. Far-UVC技術による疾病対策と水質管理: Far-UVCは、人体に安全性が高いとされる波長の紫外線である一方で、効率的に細菌やウイルスの不活化が可能です。養殖場にFar-UVCシステムを導入することで、薬品使用量を抑制しつつ、水中の病原菌を低減させ、エビの疾病リスクを大幅に軽減します。これにより、抗生物質の使用削減や、健全な成育環境の維持に貢献します。 2. IoT技術による養殖データの一元管理と最適化: 水温、酸素濃度、pH値などの水質データ、エビの成長状況、摂餌量などをリアルタイムでモニタリングし、IoTデバイスを通じてクラウド上に集約します。これにより、養殖事業者はスマートフォンやPCからいつでも養殖池の状況を把握できるようになり、データに基づいた科学的な意思決定が可能となります。 3. AI活用による予兆検知と生産性向上: 蓄積されたビッグデータをAIで解析することで、疾病の発生予兆や水質悪化の兆候を早期に検知し、適切な対策を講じることが可能になります。これにより、突発的な被害を最小限に抑え、歩留まりの改善と生産性の向上に貢献します。 ○「TSUBASA2025」採択の意義 TSUBASAプロジェクトは、日本のスタートアップ企業とJICA・IDB Labの共創により、中南米・カリブ地域の開発課題解決を目指す画期的なプログラムです。この度の採択は、当社のFar-UVC技術とIoT技術が、エクアドルのエビ養殖業界における喫緊の課題解決に貢献し、持続可能な経済社会開発を推進する可能性が高いと評価されたものです。 当社は、JICAおよびIDB Labの強力な支援、そして現地ネットワークの活用により、エクアドルを皮切りに中南米・カリブ地域のエビ養殖産業のDXを加速させることを目指します。また、本事業の本格展開を見据え、2026年にはエクアドル国内に現地合弁企業を設立する計画を進めており、地域社会との連携を強化しながら、持続的な事業成長を目指してまいります。 本プロジェクトを通じて、当社は中南米・カリブ地域の経済社会発展と環境負荷軽減に貢献するとともに、グローバル市場におけるプレゼンスを一層高めてまいります。 ○今後の展望:エビ養殖における「アクアメディカル構想」の実現 当社は、本事業を単なる生産性向上に留まらず、エビ養殖を中心とする陸上養殖における「アクアメディカル構想」の実現に向けた第一歩と位置付けています。これは、人間の医療サービスになぞらえ、エビ等の健康管理を包括的にサポートするものです。具体的には以下のサービス展開を目指します。 1. 疾病診断の高度化(問診・診断): IoTセンサーによるリアルタイムデータとAI解析を組み合わせることで、エビの疾病の兆候を早期に捉え、迅速かつ正確な診断を可能にします。これは、人間の健康診断や早期発見に相当します。 2. 消毒殺菌による環境改善(治療・予防): Far-UVC技術を駆使し、養殖水中の病原体を効果的に殺菌・除去することで、エビが健康に生育できるクリーンな環境を維持します。これは予防医療や感染症治療に相当するアプローチです。 3. 定期モニタリングサービス(経過観察・健康管理): 継続的なデータ収集と分析により、エビの健康状態や養殖環境を常に「見える化」し、異常があれば即座に対応できる体制を構築します。これは、人間の定期検診や慢性疾患の経過観察のように長期的な健康管理をサポートします。 当社は、エビ養殖における「未病」の概念を導入し、疾病発生後の対処から未然に防ぐための予防・管理へと転換することで、持続可能で安定したエビの生産に貢献します。 TSUBASA2025 TSUBASA BEAM Press Release
経済産業省「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(対象国:タイ王国・インドネシア共和国・インド・エクアドル共和国)」に採択されました。
当社は、経済産業省 令和5年度補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金(我が国企業によるインフラ海外展開促進調査:三次公募)」に採択されました。 事業名称:タイ王国・インドネシア共和国・インド・エクアドル共和国/Far-UVCテクノロジーによる陸上養殖の感染症予防技術の実証事業 概要:世界で広がるエビ養殖は病気に弱く化学薬品が使えないため感染対策が課題。同社のエビを傷つけず水中のウイルス・バクテリアを殺菌するFar-UVC技術を用いて感染リスクを減らし、歩留まりを改善、経営安定化を目指す。 経済産業省は、グローバルサウスの国々が抱える諸問題を、日本企業がビジネスを通じて解決していくことを支援する方針を打ち出しています。 これにより、グローバルサウスが持つ市場成長力を取り込みつつ、日本国内のイノベーション創出と国内産業の活性化を実現し、グローバルサウス諸国との経済連携も強化することが期待されています。 グローバルサウスではエビ養殖が盛んな国が多い一方で、気候温暖化に伴う感染症が多発しており、医薬品が使用できない状況下で養殖経営を自粛する事業者も増えています。 当社が提供するプロダクトで水質改善と感染症抑制を通じて、養殖経営の収益向上を支援する計画です。 昨年に続き、タイ王国を中心に取り組む計画で、今年からインドネシア、インド、エクアドルでの実証実験も開始する予定です。 陸上養殖における感染症対策のグローバルスタンダードモデルを構築するため、この補助金を活用して事業を加速させてまいります。 more info
新たな特許を出願致しました。
当社は、陸上養殖分野におけるFar UVC技術を活用した魚介類養殖装置、魚介類養殖方法および魚介類養殖プログラムに関する特許を出願致しました。